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2020.08.27
【記事】テレワーク時代の営業改革(前編)

代表の藤崎が、月刊誌「アクセス埼玉」9月号に「テレワーク時代の営業改革」と題してインサイドセールスについて寄稿した記事を、ご紹介します。

 

急増するオンライン商談

 新型コロナウィルスの感染拡大に伴い、オンライン商談を実施する企業が急増しています。調査会社の株式会社アイ・ティー・アールが製造業、サービス業、通信業に従事する1,370人を対象とした調査資料によると、コロナ以前からオンライン商談を実施していた企業の割合は13%でしたが、コロナ以降にオンライン商談を実施し始めた企業が20%となり、全体で33%まで増加しました。



 さらに、今後オンライン商談を実施予定と回答した企業が32%となっており、実に、約3分の2の企業は対面商談からオンライン商談へシフトすることになります。

 ところが、オンライン商談へシフトしても営業成果は上がっているとはいえません。オンライン商談システムの開発・販売事業を行う、ベルフェイス株式会社が経営者・営業職1,000名に実施した「オンライン商談に関する実態調査」によると、「商談数が増加した」は8.7%、「受注・成約率のアップ」の回答はわずか6.7%となっています。対面商談からオンライン商談へのシフトが容易ではないことが浮き彫りになりました。

 

従来の営業手法「御用聞き営業」

 私が大学卒業後に新入社員として入社したのは平成元年。世の中はバブル期の後半に差し掛かっていた頃です。営業部へ配属になった私が先輩方に教えていただいたことは、至ってシンプルでした。「お客様となじみになり、状況把握し、提案する。宿題はクイックに対応する」。つまりは、御用聞き営業の所作です。

 「お客様へ足しげく通い、顔と名前を覚えてもらう」「お客様と会話をし、お客様の状況を記録する」「お客様のニーズがありそうな自社の得意な製品を売り込む」「ダメだったら宿題をもらい、クイックレスポンスで対応する」

 御用聞き営業は、悪いイメージに捉えられがちですが、お客様との接点量を確保することこそが、営業の勝ちパターンなのです。

 お客様からしますと、担当営業との接点を通し、親近感が湧きます。さらに、自社の状況や課題を担当営業へ話しますので、自分のことを理解してくれている、という安心感が醸成されます。

 この親近感と安心感が、担当営業へのリクエストにつながります。担当営業は「商品のスペックを知りたい」「設計図面が欲しい」「見積もりが欲しい」などのリクエストをいただけます。

「御用聞き営業」と「オンライン営業」の違い

 ところが、オンライン営業では、商談前のお客様との接点量が圧倒的に少ないのです。不要不急の面談が困難になり、お客様との接点が希薄です。電話をしてもお客様は在宅勤務で不在ですので、お客様の状況や課題を聞き出す機会が減少しています。

 お客様への理解が浅い中で提案せざるを得ませんので、提案の質が下がることになります。当然ながら、お客様からのリクエストももらえません。このような状況下でのオンライン商談は失敗します。

 従来の「御用聞き営業」と「オンライン営業」の違いは、お客様とのコミュニケーション量の差です。お客様とのコミュニケーション量が多ければ営業機会は多くなり、コミュニケーション量が少なくなれば営業機会は減少します。

「オンライン営業」成功させるポイント

 オンライン営業時代では、営業人数が少ない中小・ベンチャー企業が、大手企業に匹敵する営業力を持つことができる可能性があると、私は考えています。

 従来の営業環境下では、営業の人数が多いほど、御用聞き営業できる機会は多かったのです。営業の人数に比例し、お客様との接点が多くなり、営業に蓄積されるお客様の情報量も多くなりますので、数の論理がモノをいいます。

 しかし、対面営業に依存できなくなった今、営業の数の論理でなく、コミュニケーションの量とお客様から入手する情報量こそが商談量を左右します。

 つまり、お客様とのコミュニケーション、接点の量と質とが「オンライン営業時代」の勝敗を分けるポイントと言っても過言ではありません。お客様状態を深く知っている方が、お客様に近い方が、力を持つ時代になっています。

 1980年代に流通業界でも同様の現象が起きました。店頭にPOS(販売時点情報管理)が普及し始め、メーカー主導だった市場形成は、コンビニエンスストアが主導権を握り始めました。POP広告の出し方、棚の配列にとどまらず、値付けや商品企画に至るまで、コンビニエンスストアが影響力を持つようになりました。お客様との接点の量を圧倒的に多くし、お客様の情報を握ったことにより、お客様のことを良く知ることができるポジションを取ったのです。

米国で進むオンライン営業と営業の分業化

 米国では、営業業務の分業化が進んでいます。

 米国は日本と比べて国土が広大なため、毎回お客様の元へ訪問して商談をすることが難しいといわれているものの、経済合理性を追究するお国柄故、労働生産性を高める手段として、営業業務の分業化が最適解だったのだろうと、私は考えています。

 お客様との接点づくりは、営業担当よりも専門性ある「オンライン営業」の方が、増量できるし質も高くなり、スピードも上がります。

 例えば、営業個人がお客様とやり取りできるメールの量には限界がありますが、オンライン営業がITを駆使し情報発信すれば、数十倍、数百倍の対応量を実現できます。お客様からヒアリングする情報の質や量においても、同様です。

 また、営業担当も提案と交渉に絞り込むことで、商談処理件数を上げることができ、商談の質自体も向上させることができるのです。



 リーマンショック以降、毎年米国では80万人のオンライン営業の雇用を生み出したといわれています。米国の営業職570万人のうち、オンライン営業に従事する人は47.2%という結果が出ています。この傾向はヨーロッパでも同様です。(参考:経済誌フォーブスに掲載されたInsideSales.com社の記事)

 ところが、日本での「オンライン営業」の導入状況は非常に低いのです。前述した通り「オンラインでの商談」を実施する企業は33%ですが、営業業務を分業化し、従業員数100名未満の会社では、「オンライン営業」を導入している会社は、わずか5.3%にとどまっています。以下は、営業管理システムを提供している株式会社セールスフォース・ドットコムが2019年5月に実施したアンケート結果です。

引用元:2019.05.17 BY セールスフォース・ドットコム
日本企業の7割がまだ知らない!? 営業の現場力を革新するインサイドセールス調査
https://www.salesforce.com/jp/blog/2019/05/inside-sales-new-research-vol2.html



 営業業務のうち、お客様との関係づくりを目的とする「オンライン営業」不在の中で、「オンラインの商談」を実施しても、上手くいきません。


 今後の日本の営業は、欧米と経緯こそ異なれど、コロナを機にオンライン営業と営業の分業化へシフトする時代になります。

 

 後編では、オンライン営業を導入した中小企業の事例をご紹介します。

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